政府税制調査会の増税案とその対策について

今月の25日に政府税制調査会から「18年度の税制改正に関する答申」が提出されました。その中で、個人所得税から税額の一定割合を差し引く定率減税の全廃の方向性が打ち出されています。また、本年6月に提出された「個人所得課税に関する論点整理」では、税負担を軽減する所得控除の縮小、廃止や給与所得者の勤務費用の概算控除である給与所得控除の見直しの方針を打ち出しています。(新聞では「サラリーマン増税」の見出して書かれていました。)
確かに、現状のサラリーマンの給与所得控除は比較的手厚いのも事実です。
年収300万のうち税金の対象となる金額は192万
年収400万で266万
年収500万で346万
年収600万で426万
所得控除が基礎控除だけの場合であっても、年収500万の人でさえ所得税は最低税率(10%)での納税ですみます。

 政府税制調査会のこうした増税案を不満に思うサラリーマンでも確定申告できる制度があります。
それは、本人が「特定支出」をした場合その年の特定支出が給与所得控除(平均で収入の3割ほど)を超えるときはその超える金額が給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度です。
特定支出には次のようなものがあります。
@一般的な通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
A転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの
B職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
C職務に直接必要な資格を取得するための支出
D単身赴任などの場合で勤務地と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの
 
現実的には、会社から交通費、転勤に伴う費用、業務上必要な技能習得のための費用等が支給されることが多いため、給与所得控除以上の勤務費用を支払うことは多くはないと思います。
実際はこの制度自体、年に数件しかその適用が認められていませんので、あまり利用しやすい制度とはいえませんね。(この制度の利用にあたっては、税務署にお問い合わせてみることをお勧めします。)
したがって、現実的にはサラリーマンの給与所得の算定に当たっては給与所得控除額が用いられると考えたほうがよいでしょう。
ただし、政府税制調査会では給与所得控除の見直しとあわせてこの特定支出控除の範囲を拡大するように提言していますので、近い将来、サラリーマンでも本格的に確定申告する時代が来るかもしれません。そのためにも、過去の年末調整で以下にあげるような所得控除等を申告し忘れた方でもまだ還付を受けるチャンスがありますので、将来に向けての試しとして確定申告をしてみてはいかがでしょうか。
*雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険控除、寄付金控除,税額控除(配当金控除・住宅ローン控除)等

なお、年末調整で所得税が確定された方(確定申告書の提出義務のない方)の還付申告書の提出期限は下記のとおりです。
平成12年分の給与所得:17年12月31日まで
平成13年分の給与所得:18年12月31日まで
平成14年分の給与所得:19年12月31日まで

投稿者:川島(05/11/29)